「これだけは知っておきたい双極性障害」読了

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みなさんこんにちは。双極性障害治療中の @megrepper です。

私は、2年半ほど前に現在の主治医から「双極性障害」の診断を受けたのですが、これまで様々な双極性障害に関する本を読んできました。(国内外の医師が執筆されたものから当事者の体験談に至るまで、ほとんどを網羅しました。)

そんな中、最初に手に取った本が加藤忠史先生の「双極性障害(躁うつ病) の人の気持ちを考える本」だったのですが、そのわかりやすい解説のおかげで病気に対する基礎知識が身に付き、現在も治療を継続することができています。

今日は、2018年9月20日に発売された加藤忠史先生の新書「これだけは知っておきたい双極性障害 躁・うつに早めに気づき再発を防ぐ!」を読了しましたので、感想を書きたいと思います。

医師が書いた病気に関する書籍といえば、堅苦しい図表が用いられていたり専門用語が羅列されていることが多いのですが、この本はそのようなことがなく読みやすく感じました。

巻頭にもある「本書を読む前に」には、「心の病気になると集中することが難しくなり、文章を読むのが辛いという方がいます」という前置きで、読み方の指南がされている点に好感が持てます。その他にもこの本には以下のような配慮がみられます。

  • 医学的根拠に基づいた詳説にはしっかりとした解説が付いている点
  • 章ごとに設けられたQ&Aが当事者と家族の目線それぞれを取り扱っている点
  • 見開きの左ページに図解、右ページに詳説という構成になっており、読書がつらい時は左ページを読むだけでもためになる点
  • キャラクターのネコ先生の励ましの言葉で元気をもらえる点

双極性障害→双極症へと病名が変わります

Twitter界隈でも話題になっていますが、双極性障害は双極症に病名が改められることが本書でも告知されています。

その理由としては、双極性障害は適切な治療を受け続けることによって、正常な社会生活を送ることができる病である点、「障害」という言葉の重さから、当事者が自分の生き方を狭めてしまったりすることがないようにする点などから、名称の変更が検討されたようで、今年発表されるWHOの診断分類の日本語版から「双極症」という病名が用いられるようになるそうです。

双極性障害から双極症へと名前が変わることで個人的に思うところ



個人的な感想

当事者本人の治療意志尊重を大事にしている印象でした

本書は、家族の気持ちを随所に取り上げつつも、当事者本人の治療意志の尊重を第一にしている印象を持ちました。特に医療に繋げるまでのプロセスで問題になりやすい「受診を拒む当事者をどのように病院へ連れて行くか」という問題については「民間救急サービスを利用して、強制搬送・受診させるのは人権侵害です」との警告が何度も見られました。

Googleで「民間救急 精神障害」で検索すると、大小様々な搬送業者が見受けられるだけに、善良な医師側からすれば悩ましい問題なのでしょう。

リチウム(リーマス)以外の薬の解説の充実が欲しかった

本書にもある通り、リチウム(リーマス )は双極性障害における気分安定薬の第一選択薬ですが、私は現在、気分安定薬にラミクタールとセロクエル・エビリファイなどの抗精神病薬を合わせて服用しています。本書でもこれらの薬に関する簡単な解説はあるのですが、もっと詳細を知りたい人には解説が不足しているように感じられました。

勿論、患者としてはこれだけでも十分な知識ですので、私だけの問題かもしれませんが・・。

少し情報が古く翻訳本になりますが、薬剤に関しての解説は以下の書籍が充実しています。

具体的な相談先や公的支援の活用に関しては、別書籍が必要

本書の巻末にも、相談先として地域生活支援センターや相談支援事業所、公的支援として障害年金や生活保護などの概要が紹介されていますが、いかんせん専門の書籍ではないために、これらについて知りたい場合は別の書籍を参照する必要がありそうです。

地域生活支援センターの利用や障害年金に関しては、双極性障害とは異なる病気の本ですが、以下の書籍に具体的な体験記が載っています。

ここまでのまとめ

少し辛口なレビューになってしまいましたが、病気になったばかりの当事者・家族向けの取っ掛かりの本としては良書だと思います。双極性障害II型の方ももちろんですが、特に入院を必要とする双極性障害I型の当事者や家族にとっては、Q&Aに頷けるポイントも多いのではと思います。

これからもこのような良書が生まれることに期待したいですね。

それではまた!


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